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· 約6分

棚の奥のごま油が、いつ開けたか思い出せない

賞味期限切れの調味料をまとめて捨てた日の話と、それから続けている、ゆるい管理のしかたについて。完璧な記録は目指していません。

水曜の夜、チャーハンを作ろうとしてごま油を取り出したら、栓を開けた瞬間に古い段ボールみたいな匂いがしました。

ラベルの賞味期限は去年の春で止まっていて、封を開けた日付はもちろんどこにも書いていなかった。半分以上残っていたんですけど、流しに捨てました。チャーハンはサラダ油で作りました。

その勢いで棚を一段ぜんぶ出してみたら、消費期限切れの味噌、固まったカレー粉、いつ買ったかも思い出せないナンプラー、開けたか開けてないかも怪しいオイスターソースが出てきた。全部で7本ありました。

捨てる手が止まらないうちにやり切って、流しの前で「自分はちゃんと料理できているつもりだった」のに、と少しおかしくなりました。この記事は、その日からやってみたことのうち、3か月続いているものだけ書きます。

調味料は、見た目で古さがわからない

これがいちばん厄介な部分なんですよね。

野菜は、葉っぱが茶色くなるとか、液体が出るとか、明らかな合図があります。冷蔵庫の野菜室の小松菜は、放置すると黒い水になる。あれは「捨てる」が自動的に決まる。

調味料は、そういう合図が出ない。醤油は色がほんの少し濃くなるくらいで、味噌は表面が乾くくらいで、見た目はだいたい大丈夫そうに見えてしまう。棚のごま油は半年放置しても、ボトルの外見は半年前とほぼ同じ。ラベルは無傷で、酸化だけが静かに進んでいる感じがします。

もう一つは、開けた日を覚えていない問題。

賞味期限はラベルにありますが、あれは「未開封の場合」の数字で、開封後は数か月で風味が落ちる、というのが多くの調味料の実情らしいです。でも、いつ開けたかは自分しか知らない情報で、しかもその情報は、たいてい忘れています。

3つ目は、使う頻度のばらつきです。週に何度も使う醤油はすぐ減るんですけど、たまにしか使わないオイスターソースや豆板醤は、半年経っても半分残っている。減らない=新鮮、ではないのに、減っていないと「まだあるな」で済ませてしまう。

やめたこと

最初に試したのは、開封日を書いたマスキングテープを全部の調味料に貼ることでした。

2週間で剥がれました。油でベタベタした瓶にマステは、思っていたよりくっつかないんですよね。書く瞬間は丁寧な気持ちなんですけど、3日経つとペンがどこにあるかも思い出せなくなって、新しく開けた瓶には貼り忘れる。

賞味期限を一括管理するアプリも入れてみたんですけど、入力が面倒で1週間で開かなくなりました。10本以上ある調味料を全部入力する時点で、もう普通の生活ではない気がします。

まとめ買いもやめました。スーパーで「特売だから」とごま油を買い足した結果、棚に2本並ぶ事態になり、結局両方とも古くなって捨てた。安く買って捨てているのが、たぶん一番もったいない買い方だったと思います。

月初に、棚を1段だけ撮る

月の最初の日曜日に、調味料の棚を1段だけスマホで撮る。

冷蔵庫の中の調味料も、扉ポケットだけ1枚。それで終わりです。全部の棚を整理しようとすると面倒で続かないので、1段だけと決めている。

撮ったあと、写真をスクロールして見返すと、先月の写真と並びます。すると「あれ、このオイスターソース、先月から場所が動いていないな」というのが、地味にわかるんですよね。動いていないものは、たぶん使っていない。

気づいた瓶は、その週のうちに何かに使う、というルールにしました。チャーハンに足すとか、野菜炒めに振るとか、用途は雑でいい。動かない瓶を動かすのが目的なので、料理として完成しなくても気にしません。

これが意外と効いて、「一度も登板しない調味料」が棚から消えた感覚があります。

開けたら、冷蔵庫

保存方法は、調味料ごとに細かく違います。常温でいいもの、開封後は冷蔵のもの、立てて保存するもの。全部覚えるのは無理でした。

なのでルールを1つに減らした。開封したら、冷蔵庫。それだけです。

常温で大丈夫なものまで冷蔵庫に入れることになりますが、悪くなる方向には行かないので、これで統一しています。冷蔵庫の扉ポケットがすぐ埋まるのが難点なんですけど、棚の奥に隠れて忘れる事故は確実に減りました。

見える場所にあれば、使う。見えない場所にあれば、忘れる。当たり前のことなんですけど、調味料管理の8割はこれな気がしています。

余談: たまにしか使わないものは、買わない

豆板醤、コチュジャン、ハリッサ、五香粉、ケッパー。

レシピで「小さじ1」と書いてあるだけのために、瓶ごと買って、3年使い切れずに捨てた経験が何度かあります。これも捨てた7本のうちの2本でした。

最近は、たまにしか使わない調味料は、最初から買わないことにしています。代わりに、似たものでなんとかする。豆板醤はラー油+味噌で、ハリッサはチリパウダー+オリーブオイル+クミンで、それなりに近い味になる。完璧ではないんですけど、家庭の料理ならこれで十分なケースが多い気がします。

レシピに忠実であることより、棚に瓶を増やさないほうを優先する、というのは、料理本に対してちょっと申し訳ない気持ちもあります。でも、3年使わなかった瓶を捨てる気分のほうが、もっとよくない。

切れる前に、リストに書く

醤油や味噌のように頻繁に使うものは、切れる前に補充する必要があります。これも、覚えておくのは無理でした。

やっているのは、瓶の中身が3割を切ったら買い物リストに書く、という習慣です。完全に切れる前に書くのがコツで、切れてから書くと、その日の夕飯が成立しません。

うちは在庫アプリによく使う調味料だけ登録してあって、最小ストック数を切ると勝手にリストに乗ります。たまにしか使わないものは登録していない。次に必要になったら買えばよくて、ストックする方がリスクが大きい、と最近は思っています。紙のメモでも同じことはできるので、ツールはなんでもいい気がします。大事なのは「切れてから慌てない」というルールのほうです。

3か月続けて、調味料を捨てる回数は半年に1〜2本まで減りました。

以前は3か月に5〜6本捨てていたので、ペースとしては5分の1くらい。劇的というほどではないんですけど、棚を開けて「あ、このごま油、いつのだろう」と不安になる回数が、ほぼゼロになった。

気づいたのは、調味料は捨てるときより、捨てるかどうか迷っているときが一番気分が重い、ということでした。匂いを嗅いで、ラベルを見て、もう一度匂いを嗅いで、結局捨てる。あの一連の動作が、地味に生活のエネルギーを削っていた。

迷う回数が減れば、それで十分。完全に使い切ることでも、賞味期限を1日も過ぎないことでもない気がします。

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