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パントリー奥のパスタが、3袋になっていた話

パントリーの奥から賞味期限切れのパスタが3袋出てきた日に、収納をやり直しました。続いた工夫と、やめた工夫をまとめます。

日曜の昼、パントリーの奥を片手で探っていたら、ディチェコの1.6mmが3袋出てきました。

しかも、ぜんぶ未開封でした。一番奥のやつは、賞味期限が9か月前に切れていて、袋の角が少し色褪せていた。残り2袋は期限内だったんですけど、買った記憶がそろそろ怪しい。たぶん3か月おきくらいに「あ、パスタ切れてた気がする」と思って、そのたびに買い足していたんだと思います。

最初に頭に浮かんだのは、節約とか食品ロスとかの真面目な話ではなくて、「自分はこの3か月、何を確認したつもりで買い物していたんだろう」というものでした。レジで一瞬「これ、家になかったかな」と考えた瞬間は何度もあったはずなのに、毎回「ない気がする」で同じ袋を買っている。確認の精度が、ほぼ0なんですよね。

この記事は、そのあとパントリーをやり直して、3か月続いている運用だけを書きます。きれいな収納写真は出てきません。

視界に入っていないものは、いない

パントリーの奥に物を置くと、その瞬間に存在しないことになる。これがいちばん腹に落ちた発見でした。

うちのパントリーは奥行き38cmのオープンシェルフなんですけど、扉を開けて目に入るのは手前20cmぶんくらいで、後ろの18cmはほぼ死角です。屈むか、手前のものをどかすかしないと中身がわからない。スーパーで「パスタあったかな」と思ったときに頭に浮かぶのは、視界に入る手前の列だけで、奥の3袋はどこにも記録されていなかった。

意志の話ではなく、視界の話だなと思っています。

もう一つ、缶詰やレトルトのように「いつか使う」食材ほどダブります。期限が長くて焦らないので、減ったかどうかの感覚そのものが鈍る。気がつくとツナ缶が8つ並んでいて、トマト缶が5つあって、でもオリーブオイルだけ切れている、というアンバランスがよく起きていました。

やめた工夫を、ひととおり

最初にやったのは、収納の本に出てくるやつをひとつずつ試すことでした。

詰め替え容器に統一する。ラベルシールを貼る。Excelで在庫表を作る。3つとも、3週間で止まりました。詰め替え容器は洗うのが面倒で、結局袋のまま突っ込むようになる。ラベルは新しい食材を買うたびに作り直さないといけなくて、剥がれたまま放置されたやつが棚に残った。Excelの在庫表は3日目で更新が止まって、最後に開いたのがいつだったか思い出せません。

家計簿が続かない人間が、在庫表だけ続けられるはずがなかったんですよね。

たぶん、収納本のきれいな写真は「収納が好きな人」のために作られていて、自分のように「忘れっぽいから仕組みで補いたい人」とは目的が違うんだと思います。同じテクニックでも、向いている人と向いていない人がいる。

奥行きを、半分だけ使う

いちばん効いたのは、棚の奥に物を置かないというルールでした。

奥行き38cmあるのに、20cmぶんだけ使う。後ろは空けておく。

最初は「もったいないな」と思いました。でも、奥に置いた瞬間に存在を忘れるなら、置いていないのと結果は同じなんですよね。それなら最初から空けておいたほうが、ダブり買いが消えるぶん、トータルの食材ロスはむしろ減る

どうしても入りきらない予備は、別の段ボールにまとめて「予備ボックス」として、見える位置に置きました。本棚が空いたら予備ボックスから補充する、という二段構成にしてからは、棚の奥が墓場になることがなくなった。

棚の容量を半分にすると、当然ストックできる量も半分になります。最初の2週間は不安だったんですけど、3か月経ってみると、半分に減らしたぶんだけ買い物の頻度が上がったわけでもなくて、ただ「念のため買い」が減っただけでした。

余談: 棚を場面で並べ直したら、献立が組みやすくなった

最初は乾物、缶詰、調味料、と種類ごとに分けていました。

ある週末に、ふと思いついて「朝の棚」「夜の棚」「お弁当の棚」に並べ替えてみたら、急に台所が動きやすくなりました。朝のシリアル、コーヒー、ジャム、はちみつは同じ棚。夜の乾燥パスタ、トマト缶、コンソメ、オリーブオイルも同じ棚。場面ごとに固まっていると、棚を開けた瞬間に「今日この棚から何が作れるか」が一目でわかる。

副作用として、買い物のときの考え方も変わりました。「缶詰、まだあるな」では止まらなくて、「夜の主菜になるものが少ない」というふうに、場面の単位で不足が見えるようになった。これは予想していなかった効果でした。

全部を覚えるのを、やめる

3か月続けて、いちばん変わったのは「在庫を全部覚えようとする」のをやめたことかもしれません。

棚の最後の1個を取り出した瞬間にだけ、スマホでメモする。「パスタ最後」「ツナ缶最後」。それだけです。あるものを記録するのは続かないけど、なくなった瞬間だけ記録するのは続く。3秒で終わるからだと思います。

うちは在庫アプリで残量メモを取っているけど、紙でもスマホの標準メモでも、同じ結果が出ると思います。ツールよりも、「全部の在庫を管理しようとしない」というルールのほうが本体な気がします。

3か月で、パントリーの食材を捨てる回数は、月3〜4回から月1回くらいに減りました。

ダブり買いが減っただけじゃなくて、棚を開けるのが少しだけ楽しくなったのが意外でした。何があるかわかっている棚は、開けたときに「今日これ作ろうかな」と思える。何があるかわからない棚は、開けるたびに罪悪感の予感があって、だんだん開けなくなる。これは冷蔵庫でもクローゼットでも同じだろうな、と最近は思います。

完璧に整っている棚より、開けたときに頭が軽くなる棚のほうが、自分には合っている気がします。

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