S STOQ Journal
Journal
· 約5分

業務スーパーで買いすぎた肉が、冷凍庫で化石になる

1キロ298円の鶏もも肉を見ると、つい3パック買ってしまいます。半年前のそれを、霜にまみれた状態で発掘した話と、いまやっている冷凍庫の整え方をまとめました。

業務スーパーの冷凍ケースの前で、たぶん毎回ちょっとニヤニヤしていると思います。

鶏もも肉の2kgパックが、100gあたりに換算するとスーパーの半額くらいで売られている。豚こまの1kgパックも同じです。冷凍餃子50個入りも、業務用バターも、ぜんぶ単価で殴ってくる。レジに持っていく瞬間まで、自分は得をしていると本気で信じているんですよね。

問題は、家に帰ってからの試合のほうです。レジを出た時点では勝っていたはずなのに、冷凍庫の奥で別ルールの試合をしていることに、半年くらい気づきませんでした。

木曜の19時に発掘した、霜まみれのパック

いちばん覚えているのは、ある木曜の19時です。

仕事から帰ってきて、冷凍庫の手前から鶏むね肉の小袋を出そうとしたら、その奥から、霜で真っ白になった2kgのパックが出てきました。商品ラベルがもう霜越しでしか読めない。たぶん夏前に買ったものです。当時は3パック並んでいて、勝った気持ちで写真を撮った記憶までうっすらある。それが冬の入り口で発掘された。

解凍してみたら、端のほうが冷凍焼けで灰色になっていました。匂いもちょっと自信がなくて、結局その2kgはぜんぶ捨てました。

そのとき腹落ちしたのは、節約したつもりの3,000円ぶんが、半年かけてゆっくり腐っていた、ということでした。冷蔵庫で腐る野菜と違って、冷凍庫の中身は罪悪感が遅れてやってくるんですよね。痛んで見えない期間が長いので、判断を先延ばしにできてしまう。

安さの単位と、うちの冷凍庫の容量は別の話だった

3パック買って3パックとも使い切れなかった経験を、3回繰り返しました。

3年かかってようやく分かったのは、安さに釣られるのが悪いんじゃなくて、 安さの単位とうちの冷凍庫の容量が、もともと別の話だった ということでした。1kg298円は単価としては魅力的なんですけど、それを4パック買って2パックを腐らせたら、結局スーパーの正価で買ったのと同じになる。算数としては小学生でも分かる話なのに、レジの前では出てこなかったんです。

いまは業務スーパーのレジに並ぶ前に、一度カゴの中身を見直すようにしています。「これ、来月までに食べきれる量か?」と自分に聞くだけ。半分くらいの確率で、1パック棚に戻しています。戻すこと自体が悔しい時期もあったんですけど、最近はわりと気持ちよくできるようになりました。

玄関でコートを脱ぐ前にやる

業務スーパー専用に追加したのが、買った肉をその場で小分けにする運用です。

帰宅して玄関で靴を脱いだら、コートも脱がずにキッチンへ直行します。鶏もも2kgなら200g×10袋、豚こま1kgなら150g×6〜7袋。袋には油性ペンで日付だけ書く。種類は見れば分かるので書かない。

これを「夜ご飯のあとでやる」にすると、絶対にやらないことが3回くらい確認できたので、買い物の流れの一部に組み込みました。レジを出てから30分以内に、小分け済みの袋が冷凍庫に並んでいる、というのが理想形です。

地味ですが、これを始めてから「全部解けてしまう」事故が消えました。1食分だけ取り出して解凍できるので、無理に2食連続で鶏ももを食べる必要もない。再冷凍の罪悪感に追いつめられて、月曜火曜と鶏ももを焼き続けるあの感じは、いま思い出してもしんどい記憶です。

余談: 冷凍餃子50個入りの話

業務スーパーで一番安心して買える物量は、たぶん冷凍餃子50個入りなんじゃないかと思っています。

これは絶対に消費する。一人でも家族でも、ある日疲れている夜に焼くだけで1食が完成する。鶏もも2kgや豚こま1kgが化石になる確率と、冷凍餃子が化石になる確率は、わりとはっきり違います。たぶん「思考のいらない出口」がいくつあるかが、まとめ買いと相性のいい食材を決めているんですよね。

なので最近は、肉の物量は控えめにして、餃子と冷凍うどんは強気で買うようになりました。同じ業務スーパーでも、勝てる売り場と勝てない売り場が自分のなかで別れてきた感じがします。

月初の日曜に、冷凍庫を1枚だけ撮る

もうひとつ、続いているのが月初の日曜の儀式です。

冷凍庫を引き出して、上から1枚だけ写真を撮る。中身を整理しなくていい。雑に撮って、スマホのアルバムに残しておく。これだけです。

業務スーパーに行く前に、先月の写真と今の冷凍庫を見比べると、1か月でほぼ動いていない袋が見つかります。1か月動かなかったものは、たいてい次の1か月でも動かない。それを見つけたら、その週の献立に強制的に組み込むか、業務スーパーでの買い足しをやめる。

冷凍庫の中身が「忘れている」状態から「うっすら知っている」状態に変わるだけで、まとめ買いの判断がだいぶ正気に戻ります。うちは在庫アプリに残量メモを置いていますが、写真でも紙でも、結果はあまり変わらない気がします。書いてある場所が頭の外にあるかどうかのほうが、たぶん本体です。

いまの距離感

半年やってみて、冷凍庫から霜まみれの化石が出てくることは、ほぼなくなりました。

節約額がいくら減ったかは、正直よく分かりません。家計簿をつけていないので感覚値です。ただ、月に1回くらい「これダメだ」と肉を捨てていた時期に比べて、罪悪感の総量はかなり減りました。

業務スーパーで買い物をすること自体は、いまも好きです。冷凍餃子50個入りとか、1kgのバターとか、ああいう物量を見ているだけで楽しい気持ちになる。やめたのは「物量に飲まれてレジ前で即決する」癖のほうで、店そのものをやめる必要はなかったんですよね。

まとめ買いは、冷凍庫の容量と、自分が次の1か月で食べきれる量と、両方の見積もりが合ったときだけ得になる。これに気づいてからは、レジ前で1パック棚に戻すのも、わりと気持ちよくできるようになりました。

シェア

Related / 03

関連記事

Get Started

暮らしの「見えない時間」を、そっと短く。

まずは Free で、いちばん困っているカテゴリから。

Webアプリを開く