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シャンプーが切れる夜の話

なくなってから気づくタイプのものが、家にはいくつかあります。シャンプーや洗剤や歯みがき粉。あの「明日の朝までに何とかしないと」を減らすために、続いていることだけ書きます。

水曜の夜、髪を濡らし終わってから、シャンプーが空だと気づいたことがあります。

ボトルを逆さまにして、最後の一押しをひねり出して、なんとかその日は乗り切りました。濡れた手のままリビングのテーブルに「シャンプー」とメモを置いて、明日忘れないように、と思って寝ました。次の日、メモを丸ごと忘れて出社しました。会社の帰りに駅前のドラッグストアで思い出すかと思ったら、ぜんぜん思い出さずに改札を抜けました。家に着いてもう一度、空のボトルの底を指でこすっていました。

意志の弱さの話ではなくて、どちらかというと「気づくべき場所と、行動できる場所がズレている」という話だな、と思った夜でした。

どうしてシャンプーは、いつも夜に切れるのか

少し前まで、これは自分の管理が雑だからだと思っていました。

でも、よく考えるとシャンプーや柔軟剤や歯磨き粉って、減っているところが視界に入りにくいんですよね。ボトルが不透明だったり、戸棚の奥に押し込まれていたり、詰め替えパックを途中まで使ったやつが流しの下に立てかけてあったり。冷蔵庫の野菜と違って、開けるたびに残量が目に飛び込んでくるわけではない。

そして、これらは「切れた瞬間」がいちばん困るタイミングと、構造的に重なっています。風呂場で頭を濡らした直後。歯ブラシを口に入れた直後。洗濯機を回し終えた直後。気づいたときにはもう、買いに行ける状態ではないんですよね。

やめたこと

少し前まで、月に1回ドラッグストアでまとめ買いをしていました。

やめました。理由は2つあって、ひとつは、まとめ買いをしてもなぜか必ず1〜2品抜けることでした。シャンプーとリンスは買えたけど、シェービングフォームだけ忘れていた、みたいなことが毎回起きていました。完璧に揃えたつもりが、家に帰ってから穴に気づくのを繰り返していました。

もうひとつは、ふらっと寄ると必要ないものが必ず1個増えることでした。新作のハンドクリーム、限定パッケージのボディソープ、ポイント5倍デーの入浴剤。気づくと2,000円ぶんくらい「いつか使うやつ」を持って帰っていました。あれって、安く買い物をしている感覚なのに、たぶん家計にはほぼ寄与していないんですよね。

定期便も試してみたんですけど、これも続きませんでした。届くペースと使うペースがちょっとズレるだけで、棚の奥に詰め替えパックが積み上がっていく。半年で柔軟剤が7袋になった週、これは続けるほうが負けだなと思って解約しました。

頭の中で在庫を管理するのも、やめました。たぶんそれができる人は別の才能を持っている人で、自分には向いていない、と諦めるのに3年かかりました。

続いている1つ目: 洗面台の下に、無印の浅い箱

無印の重なるラタン浅型を1個、洗面台の下に置いています。深さ8.5cmの、底の浅いやつです。

ここに入っているのは、いま使っているものの「次の1個」だけです。シャンプー1本、ボディソープ1本、歯磨き粉1本、洗濯洗剤1袋。それ以上は入れない。入れようとしても箱の深さがないので、物理的に入らないんですよね。

ルールはひとつで、箱から1個取り出したら、その日のうちに次のリストに入れる。買うのは週末でいい。「箱から減ったら、次のリストに乗せる」を機械的にやるだけです。

これを始めてから、夜に頭を濡らしてから絶望することは、ほぼなくなりました。月に1〜2回起きていたのが、半年で1回あるかどうかに収まっています。

箱の深さで在庫量を物理的に上限管理しているのが、たぶん効いているんだろうなと思います。頭で覚えるのではなく、箱の物理に覚えさせる。これがいまのところ、いちばん雑で、いちばん効いている運用です。

続いている2つ目: 寄り道では買わない

ドラッグストアって、寄り道で行くといちばん損する店だなと、半年やってみて思いました。

なので最近は「3つ以上たまってから行く」と決めています。1つや2つだったら、Amazonか、家族の誰かが行くついでに頼みます。3つ以上たまったときだけ、リストを持って自分で行く。リストにないものは、ほぼ買いません。

地味な変化なんですけど、月のドラッグストア出費が体感で3割くらい下がりました。「安くなっていたから」で買い込まなくなったぶん、結果として収納の混雑も減りました。安く買って収納を圧迫していた数年が、なんだったんだろう、という感じです。

続いている3つ目: ふたりで同じリストを見る

うちは2人暮らしなんですけど、以前は別々に「シャンプー切れそう」と気づいて、別々に買って、土曜の夕方にダブり買いが発覚することが普通にありました。

紙のメモを冷蔵庫に貼ったり、LINEで送り合ったりしましたが、どっちも続きませんでした。紙は外に持ち出せないし、LINEは流れてしまう。深夜に「これ買った?」と確認し合う時間が、地味に積み上がっていったんですよね。

いまは、家族で見られる買い物リストに移しています。うちはアプリを使っているけど、共有メモアプリでもホワイトボードでも結果は同じだと思います。大事なのは、2人が同じリストを見ているという一点で、誰のスマホに入っているかは本質ではありません。

ダブり買いがなくなって何が変わったかというと、家計が劇的に変わったわけではなくて、「これ買った?」「いや買ってない」という夜の確認会話が消えただけでした。でも、その小さな会話が消えるのって、思っていたよりずっと夜が静かになるんですよね。

余談: シェービングフォームだけは間に合わない

3つの仕組みが回るようになったあともなお、半年に1回くらい、シェービングフォームだけは切らします。

なぜかわからないんですけど、消費ペースが他の消耗品と違いすぎていて、箱の中の1個ストック運用に乗りにくい。1本あれば3か月くらいもつのに、空になってからの「やばい」がいちばん早く来る。仕方ないので、シェービングフォームだけは2本ストックにしてみたら、こちらは安定しました。

仕組みは、ぜんぶの品目で同じである必要はないんだなと、シェービングフォームに教わりました。

半年やってみてわかったこと

シャンプーで絶望する夜は、月1〜2回からほぼゼロに減りました。劇的ではないんですけど、たぶん劇的を目指すと続かなくなる気がします。

ストックを完璧にゼロから1の間でキープしようとしないこと、それがいちばん大事なところだったかもしれません。多少のダブりは仕方ないし、たまに切らすのも仕方ない。「減らせれば十分」という前提でやると続くんですよね。

整った棚より、毎週ちょっとだけ崩して戻せる棚のほうが、いまの自分には合っている気がします。

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