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· 約5分

コストコの大袋を、最後まで食べきる暮らし

ベーグル20個、鶏むね2.4kg、調味料の業務サイズ。安く買ったはずが冷凍庫の奥で化石になる、あの現象を減らすために続けていることをまとめました。

火曜の22時、冷凍庫の前でしばらく動けなくなる、みたいな日がたまにあります。

入っているのはぜんぶ自分が買ったものなのに、何があるかすぐに思い出せない。奥のジップ袋は3週間前のやつか、先週末に詰め直したやつか、開けて中を見ないと判断できない。腹は減っていて、明日も早い。たぶん多くの家庭で、似たような夜があると思います。

うちは、わりと頻繁にコストコへ行きます。土曜の昼すぎに幕張まで車を出して、KSベーグル20個とさくらどり 2.4kgを、当たり前みたいにカートに積む。レジ手前で一度だけ「これ、本当に食べきれるんだっけ」と冷静になるんですけど、駐車場でトランクに積み終える頃には、その冷静さは消えているんですよね。

今日書きたいのは、その買ってきた山を、家でどう"片付けていくか"の話です。半年くらい試行錯誤して、雑だけど続いている運用がいくつか残ったので、それを並べておきます。

木曜朝のプロシュートで気づいたこと

いちばん覚えているのは、ある木曜の朝でした。プロシュートを取り出そうとしたら、端に青カビが出ていた。

ラップはしていたし、輪ゴムで留めてもいた。野菜室の手前、いちばん見える位置に置いていた。管理としては悪くなかったはずなのに、間に合わなかったんですよね。

そのとき腹落ちしたのは、「丁寧に扱っていれば食べきれる」って、たぶん幻想だな、ということでした。

食べきれなかった原因は、保存の精度ではなく、シンプルに 食べる速度が買う速度に追いついていなかった だけでした。

それまでの自分は、賞味期限を伸ばす方向にしか考えていませんでした。冷凍する、真空パックを買う、日付を書く。でもそれって、消費が間に合わない問題を、保存側の努力で先延ばしにしているだけだったんです。

ここに気づいてから、買い方と置き方が少し変わりました。

土曜の自分と、火曜の自分は別人

新しいルールは、ひとつだけです。

土曜午後の自分が決めた段取りを、火曜22時の自分が実行できるかどうかで、全部判断する。

土曜の午後の自分って、わりと万能なんですよね。さくらどりを100gずつに分けて用途まで書けるし、日曜のキッチンで「親子丼」「ソテー」「スープ」とラベルを貼り終えたときには、未来の生活を完全に支配した気がして気持ちいい。

でも火曜22時の自分は、別の生き物です。仕事終わりに冷凍庫を開けて、奥のほうから狙い通りの袋を引き出す気力はない。だいたい、いちばん手前にあるものか、湯を沸かすだけで済むやつに流れる。

土曜の万能感で立てた段取りのうち、火曜が実行できる範囲だけが、結局のところ生き残るんですよね。

なので最初から、火曜22時に動かせる範囲だけを冷凍庫に作っておけば、運用は崩れない。雑だけど、ここに寄せてから台所が急に楽になりました。

600g、それだけ

具体的にいうと、さくらどり 2.4kgは全部小分けしません。

最初の600gだけ下味、次の600gは塩振って平らに、残りはブロックのまま奥へ。手前が減ったら奥から600gを切り出す。それだけです。

600gって雑な数字なんですけど、うちは夕食2回ぶんになりやすい量で、たまたまちょうどいい。先のことは決めず、「次の2食までの距離」だけを管理するつもりで運用しています。

20個のベーグルを、5個に見せる

KSベーグルも考え方は同じです。

最初の5個だけ冷蔵、残り15個は袋ごと冷凍。冷蔵が空きそうになったら補充する。これだけで20という数字の圧が、ふっと消える感じがするんですよね。

人間、20個が視界に入っていると、20個食べないと負けな気がしてくる。でも見えているのが5個なら、そういう気持ちにならない。在庫を減らさなくても、見える量を減らすだけで、消費の心理ってけっこう動きます。

冷凍ピザも同じです。いま使う1枚だけ手前、残りは奥。「どれから食べる」を考えなくて済むので、夜の判断が速くなる。

余談: マスキングテープの寿命は2週間

冷凍庫の引き出しに、油性ペンとマスキングテープでラベルを貼っていた時期があります。

上段「朝」、中段「肉」、下段「緊急用」みたいに書く。1週目は完璧。2週目で文字が薄れて、3週目で配置が崩れて、4週目には貼ってあるだけのラベルが残っていました。

これが悔しいというより、ラベル芸の限界が見えて、むしろ少し安心したのを覚えています。続けられないものを続ける必要はないし、個人芸でもっているルールは、結局のところ仕組みじゃないんですよね。

売り場では勝負しない

買い物の話を、最後に少しだけ書いておきます。

幕張のコストコの売り場って、情報量がほんとうにすごい。試食の匂い、季節商品のワゴン、冷凍ケースの扉の開閉音。あの環境で「家にあったかどうか」を正確に思い出せる人は、たぶんいないです。

だから店内では勝負しないことにしました。家を出る前に3分だけ、冷凍庫を開けて、見える範囲だけ確認する。卵はまだある、ピザ生地は残り1、ヨーグルトはそろそろ切れる、くらいで十分です。

完璧な棚卸しはしません。一回「全部出して数える」をやろうとした週は、たいてい時間切れになって、確認自体を飛ばして家を出ました。

3分の確認で減るのは、「あったかも、念のため買っておこう」の1〜2品です。たった1〜2品なんですけど、これが減るだけで、翌週の冷凍庫の混雑がはっきり違う感じがします。

帰宅後にレシートを見返すと、「これ無くても回ったな」が毎回ひとつは出てきます。それを削れた週は、財布より気分のほうが軽い。

まだ、雑です

このやり方で半年回していますが、コストコの大袋を完璧に食べきっているわけではありません。

奥から「これいつ買ったやつだっけ」が出てくる週は、いまでもあります。

ただ、火曜22時の冷凍庫の前で動けなくなる回数は減ったし、木曜朝にプロシュートのカビを見つける確率は、ほぼゼロになりました。それで十分だと思っています。

整って見える台所より、崩れた日に戻せる台所のほうが、自分には合っている気がします。

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